「日紫喜さん、スゴイです!!これをホームページで紹介させて下さい!!!是非に!何卒~~!!」
それは、2017秋の集いでの出会いでした。
どこか粋でチャーミング、素敵な作品に魅せられて、思わず頼みこんじゃいました。
その版画やボールペン画の数々は、自作だとお聞きしても俄かには信じがたいほど。まさに驚嘆!
「こんなのがお役に立つのならば是非どうぞ。」とすぐさまご快諾くださり、後日の取材を経て皆さまにご紹介させていただくことになりました。
【ギャラリーくわとう】の第一回企画展『日紫喜 克基 手仕事のぬくもり展』です。
次回よりテーマ別に第一~五章の5回に渡り、45点の作品をお届けいたします。
●第一章:洋の風景(1) ~街かど~ 10作品
●第二章:洋の風景(2) ~佇まい~ 9作品
●第三章:和のモチーフ(1) ~旬~ 10作品
●第四章:和のモチーフ(2) ~意匠~ 10作品
●第五章:最終章 ~取りの作品群~「川上澄生木版画大賞」受賞作、公募展入選作など 6作品
「版画は全身を使う重労働なんだよ」そう仰る力作の数々からは、どれも温もりが伝わってきます。
あるものは旅の素朴なワンショット、あるものは江戸千代紙のような愛らしさ。そして受賞作にいたっては、その迫力に熱量は高まります。
そんな日紫喜 克基ワールドをどうぞお楽しみ下さい!
【作者紹介】
日紫喜 克基 氏 桑名高校1期生
≪プロフィール≫
1929年、大連に生まれ、華々しい時代の大連で育つ。17歳の時、敗戦により日本(桑名)に引き揚げ、桑名中学に編入、桑名高校1期生として卒業。慶應義塾大学法学部に進学し、在学中は自動車部(スポーツ)の活動に熱中する。卒業後は医療系の仕事に従事し、その後父親の会社を継承。経営者として350人程の社員とともに邁進の日々を過ごした。
ある時、「学生時代にもっともっと勉強しておけばよかった」と強く思うことがあり、一念発起。上智大学への学士入学を果たし、以来満20年を若者とともに学び続けてきた。幅広い分野への知的好奇心は今も尽きることない。
大連時代の悲喜交々の経験談や現代の世界情勢、心理学の世界に至るまで、様々な話題が次から次へと泉のように豊かに溢れだす。お話はウイットに富み実に興味深い。若々しさの秘訣なのかもしれない。
≪版画を語る ~杉並三田会・杉並の風No.12寄稿文「版画と私」より抜粋~≫
●きっかけについて
「ある時、銀座画廊の店主から、非公開の貴重な浮世絵を見せて頂きました。その美の極致ともいえる浮世絵に感動させられたのが、私が版画に魅せられたきっかけでした。」
●版画の魅力について
「浮世絵は、歌麿のような絵師と、彫り師、刷り師から成りますが、昨今の「創作版画」は三つの作業を一人で制作するところに差異があります。六十歳になって始めた創作版画は、私の人生のなかで最も親しい友人の一人となりましたが、少しでも手を抜くと厳しく叱責されるところが魅力です。」
●川上澄生木版画大賞受賞作「煩悩の犬」について(*文を一部編集しています。)
「入選は全くの奇跡としか言いようがありません。・・・「そぞろ物語」に「煩悩の家の犬、打てども去らず」というくだりがあります。・・・萩原朔太郎の詩にも詠ったものを思い出します。そのような諸々の煩悩のイメージを描いたのが、この「煩悩の犬」です。」
0コメント