【読書びとサロン】vol.11 追悼 南川三治郎氏著「アトリエの巨匠に会いに行く」

桑高OB、写真家の南川三治郎さんがお亡くなりになられました。

突然の事で俄かには信じ難く、悲しみでいっぱいです。

南川さんは素晴らしい作品とともに、その温和なお人柄で気さくに接して下さり、数々の温かな思い出も我々に残して下さいました。

南川さん、ありがとうございます。

南川さんのお姿を偲び、ご冥福をお祈りし、著書をご紹介させていただきます。


タイトル:アトリエの巨匠に会いに行く
著者:南川 三治郎
出版社:朝日新聞出版


この本と出会ったのは2010年頃だったと思う。

「アトリエこそが彼らの秘密の発想工房」、その帯の言葉に惹かれて手に取ってみた。

パラパラとページを繰ってみる。

デザイン本のような雰囲気が漂うカラー写真、取材のエピソードを綴った飾らないことば、そして、偉大なアーティストへのインタビューに挑む作者の奮闘ぶりに “うん、面白そう♬” と購入した。

これで新書1,000円!バリューたっぷりである。


時は移り2015年秋、桑高同窓会東京支部の幹事会をお手伝いするようになり、初めて参加した「秋の集い」。

隣の席の先輩が教えてくれた。

「あそこにいる南川三治郎さんって有名な写真家なんだよ!」

「へぇ~そうなんだ~」何だかぬいぐるみのようなおじさん、これが私の初南川さんだった。


そして後日、この南川さんが、あの(本の)南川さんだと気付いた時の興奮は今も鮮明に憶えている。

「えぇっ~?! えぇーっ!! えぇーーーっ!!!」 本の裏、著者のプロフィール写真を何度もガン見し、↓↓↓

その発見に驚きながら何故かアタフタ、ソワソワしてしまう。

そして、またまた何故かファイトのような嬉しさのようなものが湧いてくるから面白い。

そんな思い出ぎっしりの特別な一冊である。


若かりし頃の南川さん、当時29歳、1970年から取り組んだ “アトリエの巨匠に会いに行く” 大テーマは四半世紀続き、その一部が本書となった。


シャガールがくしゃくしゃに丸めてポンと放り投げたゴミ(紙)は?

取材依頼の度に「お金を払うか」と問うダリとの攻防。

明り取りの窓から眺め下ろすバルテュスのアトリエには痺れた。

“ロイ・イーゼル・オリジナル”を披露するロイの無邪気さ。

セザールの項では、シャンソン歌手のイヴ・モンタンもふいに登場。アルバムを引っぱり出して聴きながら、更にお得感倍増で何となくな贅沢気分を楽しませてもらった。


写真家の南川さんである。

本書の前身、『アトリエの巨匠たち』1980年に日本写真協会新人賞を受賞。


1994年には『アトリエの巨匠・100人』として20年の成果をまとめあげた。


写真家さんって、いろいろなテーマを複数で走らせているのですね。

先のアトリエの巨匠を続けながら、1986年には『推理作家の発想工房』で日本写真協会年度賞を受賞している。


その他にも著作はたくさんあります。

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写真集はもちろん、本書のような写真&読み物も面白い作品が多々。

アーティスティックな薫りの本っていいものだ。


本書の所々に登場する猫のイラストも楽しい。

猫好きの南川さんだったもの。

あ~また悲しくなってきた。

レオくん(南川さんの猫)はどうしているだろう、、、。

最後に、南川さんが下さったレオくんの写真を掲載して閉じます。大好きな一枚。

南川さん、ありがとうございました。

ご冥福を心よりお祈りいたしております。

読書人:岡村 亜矢子

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