【読書びとサロン】vol.21 社会を動かす力の秘密を解き明かす社会心理学のバイブル、情報社会のサバイバル書かもしれない 「影響力の武器」

タイトル:影響力の武器[第三版] - なぜ、人は動かされるのか

著者:ロバート・B・チャルディーニ

訳:社会行動研究会

出版社:誠信書房 


‘あれもそうか!’‘これもそうだったんだ!’ 人間心理のメカニズムに思わずうなる


人は往々にして欲しいと思ってもいないモノを買ってしまったり、まったく異なる意見に賛同してしまったりと、なぜだか非合理的な意思決定をしてしまいます。

本書は、そのような行動をしてしまう人間心理のメカニズムを6つのポイントから解説した社会心理学のバイブル的な本です。


人を説得し行動させる6つのアプローチとは、

① 相手に何か与えられたら、返したくなる「返報性」

② 一つ何かを決断すると、その決断を正当化して貫こうとする「一貫性」

③ 周りがそれを受け入れていれば、自分も正しいものと受け入れる「社会的証明」

④ 自分が好意を感じる人や親しい人の要求は断りにくい「好意」

⑤ 専門家(権威者)の指示に従う「権威」

⑥ 限定や期限があるものであれば、それを手に入れたくなる「希少性」


この本では、各々について事例をふんだんに紹介し、法則性を導き出しています。

 ‘あれもそうか!’ ‘これもそうだったんだ!’ と、世の中には人々のスイッチを入れさせるような仕掛けがたくさんあることにあらためて気付かされます。

つまり、マーケティングはこれらのスイッチを意図的に押させるために考えられた手法であることが良く分かるのです。 


こんな経験ありませんか? 護身に、ビジネスに、活きる ‘あるある’ 満載


「一宿一飯の恩」なんて言葉がありますね。

ちょっとしたお世話になること。また、そのような些細な恩も忘れてはいけないよ、ということです。

昔話の中にも、「鶴の恩返し」や「笠地蔵」といった、人の優しさとそれに感じた恩義を描いた訓話も多くあります。

我々は知らず知らずのうちに恩義を大切にすることを学んできているのですね。

これらは人の「返報性」をつくります。

人は親切にされると、お返しにそれ以上のことをしてあげたくなるのです。

この返報性を利用した悪だくみや悪徳商法もありますから注意が必要です。


「一貫性」はどうでしょうか。

人は、先んじて表明した自分の意見や立場に合ったものを受け入れる傾向にあるようです。

その意見や立場にそってお願いをされると聞き入れてしまう(少々無理難題でも)。

これが「一貫性」ですね。

会議などで上司がなかなか自分の意見を言わないのもうなずけます。


さらに、営業的に強力なのが、「制限」や「希少性」でしょう。

テレビショッピングで「限定〇個」、「本日限り」は常套手段です。

「残りあと〇個です!!」なんて絶叫されたらどうですか?

 “そんなに皆も買っているんだ!逃してはいけない!?” と「社会的証明」も手伝って、思わず電話したくなりますよね。


いかがでしょうか。

こうした「影響力の武器」を知っておけば、いかがわしい商法や勧誘に巻き込まれずに済むかもしれません。

でも、いつも ‘騙さてなるものか!’ と神経をとがらせていては、精神的に疲れてしまいますよね。


昨日、私は靴のスプレーの実演販売で靴を綺麗にしてもらい、そのスプレーを思わず衝動買いしてしまいました。

たまには騙されたと思って買ってみるのも、精神衛生上は必要なことなのかもしれませんね。ほどほどに(笑)。

読書人:花村 泰廣

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