タイトル:7つの習慣 人格主義の回復
著者:スティーブン・R・コヴィー
出版社:キングベアー出版
皆さんは“自己啓発書”を読んだことがありますか?
自己啓発書というと、洗脳されそうとか、押しつけがましいとか、ダサイといったイメージがあり、あまり座右の書に挙げる人も多くありません。
しかし、本書は一般的に言われる自己啓発書とは一線を置き、仕事だけでなく家庭においても生かすことができる、豊かな人生を送るために必要な考え方が書かれています。
(実際に、著者ご自身の家庭の場面でのエピソードが、仕事の場面同様ふんだんに語られています。)
私も25年ほど前に初めて読んだ時には、「ふ~ん、こんな考え方もあるんだな」といった感想でしたが、仕事で壁にぶち当たった時や他人ともめごとがあった時など何度も救われました。
この本を開いてみると、私が大切にすることを思い起こし、心が穏やかになり、悩んでいたことが実はどうでも良いことだったと気づかされるのです。
では、「7つの習慣」とはどんなものなのでしょうか。
第1の習慣「主体的である」・・【パーソナル・ビジョンの原則】
人は、いつでも自分の“考え”と“行動”を選ぶことができます。
つまり、何か起こった時に、それに対して自分がどう反応するのかを選択することができるということです。
例えば、他者の言動が自分を傷つけることがあったとしても、その言動に対して自分が傷つくのは、自分が傷つくことを選択しているというのです。
???、どういうこと? となりますよね。
本書では冒頭に、個々人が持つ「見え方、見方の癖」があることを指摘し、先の例で言うと “傷つく” 以外の道もたくさんある、その中から無意識にも道を選んでいるのは自分なのだと気付かされます。
事故で電車が遅れてイライラするのも、自分では解決できないことに気を取られてしまっているからなのですね。
自分にはどのような見方の癖(習慣)があり、自分がどう反応するのか。
それを認識・自覚し、自らコントロールすることができます。
困難に潜り込まず、置かれた状況を改善することに集中する道を選んでいきましょう。
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」・・【パーソナル・リーダーシップの原則】
皆さんは人生の最期を思い描きながら日々行動されていますか?
そんな風に考えている人は少ないでしょう。
しかし、最期を思い描くことから始めることで、自分自身がどうありたいのかが分かり、そのための行動を取るようになっていくのです。
でも、人生の最期と言われてもピンと来ないかもしれませんね。
でしたら、今年が終わった時に良い年だったと思えるように行動しましょう。
会社で定年を迎える時に良い会社人生だったと思えるように行動しましょう。
自分がこの世を去る時のことを想像してみて下さい(場面を俯瞰する)。
大切な人の顔は見えますか?
横たわっている自分に何と声をかけたいですか?
その最後の場面へと続く道が私たち自身の人生です。
どのような行動が描く道をつくるのか、選択すべき一つ一つが見えてくるのではないでしょうか。
先を描く。それが自分のリーダーシップの原則です。
第3の習慣「最優先事項を優先する」・・【パーソナル・マネジマントの原則】
当たり前でしょと思われるかもしれませんが、これがなかなか難しいのです。
まず、自分がどうありたいかを決めてください。
そして次に、どのようにすればそれが実現できるのかを考える。
それだけです。
「最優先のこと」を優先する時間管理が必要になってきます。
私は家族や周りの方々に「人生は有限資源だから、優先順位をつけて行動しなければいけないよ」とよく言います。
当たり前なのに難しいこの第3の習慣、“優先順位をつける”というのを、実はやっていないことが多いからなのですね。
資産運用において、お金を株式や債券などの資産に振り分けてポートフォリオを作りますが、時間管理も同じように、優先順位をつけて配分することで、なりたい自分に一歩でも近づくことができると思うのです。
自分をコントロール、自分の(パーソナルな)ボスは自分、自分をマネジメントする。
能動的な道が開けてくるでしょう。
これらのことは、前回vol.24でご紹介した「イシューからはじめよ」も大変参考になりますから是非ご参照ください。
ここ第1から第3の習慣までが「パーソナルな原則、私的成功」についてです。
本書を読み進めるににつれ、自分の「人格」をどんどん客観的に見るようになりますが、その過程は気付きに充ち、驚きの連続になるかもしれません。なかなかスリリングですよ。
第4の習慣からは「社会・関係性の原則、公的成功」の部に入ります。
「人格」と「人格」が出会うときの原則ですね。
次回に一つずつみていきましょう。
読書人:花村 泰廣
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