こんにちは!Buongiorno!
2月も終わり、春が近づいてきているのを感じます。
2月にはバレンタインがありましたね!
みなさんはどう過ごされましたか?^ ^
イタリアはバレンタイン発祥の国。
ということで、今回はバレンタイン「San Valentino(サン・ヴァレンティーノ)」をテーマにお届けしたいと思います♬
♥San Valentino とは?♥
今では世界中で “恋人たちの日” となっているバレンタインデー(Valentine's day 英)。
この「San Valentino 伊」とは、、、
じゃーん、この方です↑。台座に名前が彫られていますね。
「聖ヴァレンティーノ」3世紀のキリスト教聖職者です。
Valentinoってイタリアではよく知られた男性名なんです。女性はValentina(語尾がo→aに)。
(とってもちなみにですが、こちらのメゾンの創設者もValentinoさんです。)
バレンタインデーは、聖ヴァレンティーノ、ラテン語だと「Valentinus(ウァレンティヌス)」の日なのですが、ではどのような日なのでしょうか?
2月14日はウァレンティヌスが殉教した日なのです。
(カトリックの国イタリアでは、毎日が誰かの聖人の日なのですが、、、)
(また、カトリック百科事典には、2/14に殉教したValentinoが3名記載されているとか。
①ローマの司祭兼医者Valentino ②テルニの司祭Valentino ③アフリカで殉教したValentino
*①②は同一人物説もある)
こんな↓紹介動画がありますのでご参考下さい!
(St.Valentine HD Catholic online)
♥聖ヴァレンティーノのストーリー♥
San Valentinoは、今では「恋人たち(愛、結婚、家庭)の守護聖人」として熱心な信仰を集めていますが、もともとは医者で、「てんかん病、ライ病、疫病、家畜、養蜂家、子ども、の守護聖人」だったとか(先の①Valentinoさん説ですね)。
恋人たちの守護聖人となったのは13世紀以降だそうです。
そこには愛と殉教にまつわる様々な伝説が語られています。
(諸説あって、その真偽はわかりませんが ^_^;)超簡易ダイジェストにすると、
<<時代背景>>
この頃のローマ帝国は “3世紀の危機” と言われる混迷期。“軍人皇帝時代” とも言われ、軍事力を背景に「俺が皇帝だ!」と名乗りをあげる皇帝が乱立する(クーデター頻発)。このような一種の内乱状態が50年続いた(235年~ この間の皇帝は26人とも)。
キリスト教は4世紀末392年に帝国の国教とされるが、3世紀のその時代には皇帝崇拝を拒否する異教として迫害や弾圧が繰り返されていた。受難の中、クリスチャンは社会の下層・弱者の中に信仰者を増やしていった。
伝説1)当時のローマ帝国では、兵士の結婚、異教徒同士の婚姻が禁止されていたが、San Valentinusは愛し合う若い二人の婚姻の儀式を秘かに執り行っていた。これが時の皇帝に知れることとなり逮捕。改宗を迫られるが、愛の尊さ・神の教えを説き続け皇帝の要求を拒否し、逆鱗にふれ処刑された。
(兵士サビノとクリスチャンのセラピアの物語は有名です)
伝説2)逮捕された獄中、その看守(裁判官とも)アステリウスと交信し、その全盲の娘ジュリアを神の導きで癒すこととなり、ジュリアの目に奇跡が起こります。処刑の日、Valentinusはジュリアにメモを残しました。そこに記された言葉「dal tuo Valentino(あなたのヴァレンティーノより)」をジュリアは自分の目で見ることができたのです。
(ラテン語だとこんな感じだったのでしょうか?)
これがバレンタインカードの起源になっているのですって!
この言葉は今でもバレンタインメッセージの定番だそうです。
いろいろな伝説を伴って、2/14は愛の守護聖人San Valentinoに祈りを捧げる日、“恋人たちの日”となりました。
今は検索をするとたくさんの情報が出てきますが、中世のクリスチャンにとって歴史の信憑性はさほど重要ではなかったのでしょうね。
さて、古代ローマまで遡ってバレンタインの起源をみてみました!
次は現代に戻り、バレンタインといえば、、、の2つの街をご紹介したいと思います♬
「Terni(テルニ)」と「Verona(ヴェローナ)」です。
まずは位置関係を!
イタリアの中央部ローマの少し北、緑のピンがウンブリア州「テルニ」、北部ミラノの東、オレンジのピンがヴェネト州「ヴェローナ」です。
(黄色のピンは、先日お伝えしたトリノです。vol.7「トリノTrip♬」もぜひ!)
♥Terni♥
San Valentinoは「San Valentino da Terni(テルニの聖ヴァレンティーノ)」とも呼ばれ、テルニ生まれ。テルニの守護聖人です。
(PATRONO DI TERNI(テルニの守護者)とあります 聖アンソニー教会)
テルニには聖人が眠るサン・ヴァレンティーノ大聖堂があり、結婚を誓うカップルの聖地となっているようです。(教会のサイト↓)
2~3月にかけては『San Valentino di Terni』という祝祭イベントがあり、
(2019年の開催期間は 2/2~3/23 )
期間中には、教会を中心に200以上のスタンド(屋台)が立ち並び(日本でもお祭りで縁日がありますよね!)、コンサートやパフォーマンス(空挺部隊が空にハートを描いたり、、)などたくさんのプログラムが用意されています。
中でも、大聖堂でのミサには、愛の守護聖人の加護と祝福を求める人が世界中から押し寄せ大行列をなすそうです。
(TERNI lifeより)
そして、
今年2/17(日)の「Festa della Promessa(結婚の約束を誓う式典)」には、年内に結婚する110のカップルがイタリア中から集まり、聖人のもとに厳粛な誓約を交わしたそうです。
(TERNI Life.com↓ Umbria24.it より) 詳しくはTERNI Lifeサイトをご参照ください。
これまで「バレンタインデー」を信仰と結びつけて考えたことがなかったので、祈りを捧げる日であることや文化的な背景の違いに、ちょっとした驚きと感動がありました。
“当たり前” って国や人によってずいぶんとバラエティがあるんですね!学ぶことが多いです。
テルニのバレンタインはその他にも街のあちこちでイベントが目白押し。
『Terre di San Valentino Festival』や『Cioccolentino 2019(チョコレンティーノ)』のフェスティバルも同時開催され、街が「San Valentino」の祝祭に包まれます。
(↑このフェスティバルは第一回目のようですね)
このチョコレンティーノでは、イタリアでしか味わうことのできないたくさんの種類のチョコレートが売られていたり、チョコレートでメイクをしたり、超巨大なチョコケーキを作ったり、、、。シングルでも何でも行きたくなります(笑)
夜のイルミネーションもロマンティックなんですって♥
( cioccolentino.comより こんなに大きいチョコレート…埋もれたい…!笑 )
( cioccolentino.comより 可愛らしい氷の彫刻オブジェが光にきらめきます)
日曜日にはマラソンの大会まであるんですよ!
『Maratona di San Valentino』
ゼッケンもハート、ゲートもハート、メダルまで!!
日本発祥のこんな祝祭(イベント)ってあったかな?
グローバルなんだけどローカルがものすごく熱い、、のような。
主催する街の人たちも、きっとすごいパワーでつくっているのでしょうね!
そういえば、、、
「イベントとか何でも参加するのはもちろん楽しいけど、つくる側はもっと楽しい♬」
って言ってた先輩がいます、、、(しばし想いをはせ、、、)
何気なく過してきた季節のイベントも、こうしてじっくり調べてみるといろいろなことを感じますね!
これも、発祥の地にあってこそ。
こんな時間をいただけていることにあらためて感謝です!
さて、ここまでで随分長くなってしましました^^;
次回は、もう一つの街「ヴェローナ」のバレンタインからお届けします。
では! A presto!(See you soon!)
<つづく>
☝今日のイタリア語☝
「Dal tuo Valentino(ダル・トゥオ・ヴァレンティーノ)」=From your Valentine
バレンタイン・カードのお決まりのメッセージです。
(Valentinoは、聖ヴァレンティーノという意でなく、愛とか恋人とか、そういう存在全体の意味で使われます)
同じようなフレーズでもう一つ、
「Sei il mio Valentino(セイ・イル・ミオ・ヴァレンティーノ)」=Be my Valentine
「tuo(あなたの)」「mio(私の)」という所有格は、名詞を修飾する形容詞です。
つまり、どんな名詞(男性名詞or女性名詞、単数or複数)につくのかで単語が異なります。
Valentinoは一人の男性ですから、「mio」「tuo」を使います。
では女性(Maria)なら・・・「mia Maria」「tua Maria」となります。
そういえば、モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ(=ドン・ファン)」の中に、テノールが歌う「Il mio tesoro intanto」というアリアがあります。
オペラの歌詞も少しわかると楽しいですよ!
ともあれ、まずは「tuo ●●●(男性名)」「tua ●●●(女性名)」とラブレターの最後に記してみてはいかがですか♥(送る相手は男性でも女性でも同じです♬)
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