なんでわざわざ中年体育(文春文庫)
角田光代
2019.10.9発売
買い物ついでに本屋にふらり、いつものお決まり定番コース。
(まずは身軽に本屋へ直行。食品を先に買っちゃいけませんよ。重いし、本を自由に手に取れないものね(^ -)☆)
文庫本新刊コーナーで ‘何か面白そうな本はないかしら、、、♪’ と見ていたら、一つのタイトルが語りかけてきた。
「なんでわざわざ中年体育」?
そのまんま丸ごと心当たりがありすぎて吸い寄せられた。
作者は角田光代さん。「八日目の蝉」や「紙の月」の人だ。
「八日目の蝉」中公文庫、2011.1.22発売
映画 2011.4.29公開
「紙の月」ハルキ文庫、2014.9.13発売
映画 2014.11.15公開
角田さんのぽっちゃり丸顔も目に浮かぶ。(運動が得意そうには見えないよね~)
手に取ってパラパラとめくると、マラソンやらトレランやら登山について書いてある。
(約5ヶ月後にフルマラソンに挑もうとしている私に、本の磁力が襲いかかる)
ちょっと興味あるなあ、と何故か自分にうそぶきながらシャラっとレジへ。
(本当は激しく興味ありで掴み取りたい勢いだけど 笑、それが何だか照れくさい。中年の“体育”も周りの目は意外と冷ややかだったりして微妙なのよ 汗)
早速読んでみる。
表紙の角田さんからしても、がっつりポジティブ、「もう、楽しくて!」系の内容かと思っていたら、中身は案外ネガティブである。
「運動の得意な人だけが運動をするのではない。
好きな人だけがするのではない。
健康に気を遣う人だけがするのではない。
(中略)、走ることも、汗をかくことも、高いところを歩くことも、嫌い。
嫌いだと自覚しているからこそ続けられることもある。」(本文より)
自分の中のどーしようもない矛盾さを、素直に、時に笑い飛ばして綴っている。
一緒に苦笑したりしながら、スッと気持ちが楽になった気がした。
マラソンは達成感ばかりではない。
山にだって相性がある。
トレイルレースが案外楽しかった。でもその後のひどい筋肉痛。
“うんうん、そうそう、わかる~” ふつうに私が思っていることがどんどん出てくる。
まるで角田さんとの居酒屋談義よ(話はずむわ~)(カフェトークじゃあない 笑)。
作者の好奇心にも妙にくすぐられた。
ボルダリング、ヨガ、海外マラソンにも挑戦してて、“いやよいやよ”といいながら実は楽しそう。
(このあたりの感じがまた “Just fit、中年女の、不思議かな” ・・・字余り^^;)
最後の章は、極上ワインとフレンチのフルコースを楽しめるという名物レース「メドックマラソン」だ。
つらいものはつらい、でも「たのしかった」と締めくくってある。
そう、結局は結果オーライなのかな。
ふりかえれば「楽しい」からこそ次がある。それでいいじゃない。それがいい!
中年体育心得(巻末の8カ条より抜粋)
・高い志を持たない(は~い)
・ごうつくばらない(ですね~)
・イベント性をもたせる(うんうん)
・他人と競わない(そこね!)
・活動的な友人を作る(コレだ!)
ところどころにある作者の写真の表情も実にいい。
ユルーく楽しみを見つけながら、笑っていられる程度に続けていくことが中年体育の秘訣で魅力。
作者と全くの同世代、私もゆるゆると挑戦していこっと!
ぼちぼち派竹内
(と一旦終わったが、)そうそう、メドックマラソンといえば、それを知ったのは、
「アレー!行け、ニッポンの女たち」(こかじ さら著、講談社)だった。
なんと、高校のクラスメイトだった友人が登場人物の一人なの!
その友人とは、、、ラン友、山友、らんだむうぉーく仲間でもある無節操岡村(笑 なぜか笑ってしまう)。
登場人物の中で一番熱くてヘンなやつがそうです 笑。
(ちなみに、表紙(脚)にも出てるんですよ!どれかすぐわかったwww)
文庫本は改題&加筆されて「負けるな、届け!」(双葉文庫)で出ています。
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